会社概要

社長メッセージ

この国の金型づくりを守りたい

私が当社の前身である藤田金属株式会社に入社したのは1963年のこと。当時、日本は高度成長期のまっただ中にあり、自動車産業をはじめとする各種の製品が大量生産され、世界中に輸出されつつありました。その躍進する日本のモノづくりを支えたのは、金型をつくる技術であったと言っても過言ではありません。 けれど、その金型づくりは依然現場の職人中心で、はなはだ前近代的なものでした。職人の腕と気分次第で、品質や納期にまで影響が及ぶ世界。それではクライアント企業の信頼を勝ち取ることができません。「どうせやるなら日本一、世界一を目指したい」。その思いで私が取り組んできたのは、金型製造自体の近代化でした。

1970年代から業界に先駆けていち早くNC工作機械を導入し、ソフトの自社開発に着手。さらに、1982年には日本で初めて3次元CAD/CAM システムの開発に取り組みました。通常、導入まで1年以上かかるところを、わずか1ヶ月半での稼働に成功。業界の内外で大きな話題となり、ツバメックスの名前は全国に広がりました。 また、この間近隣企業に先駆けて新卒の大卒採用をスタート。新潟大学をはじめとする優秀な人材を多数採用したことが、事業のシステム化を一層促進する要因となりました。そして、1998年にはフランス製の3次元設計の基本ソフト、CATIAの大規模なカスタマイズ化に成功。これにより金型設計ではかつてない短納期と高い信頼性を獲得しました。

このように、50年の長きに渡って私が一貫して取り組んできたことは、金型業界にインテリジェンシーを吹き込むことでした。汗と力でモノづくりをする世界に設備とシステムを導入し、より早く、より効率的なしくみをつくることで、生産性の飛躍的な向上に成功しました。その結果は、多大な設備投資を必要とする製造業としては珍しい無借金経営を達成することにつながりました。 製造業というのは一朝一夕にはできません。ひとつの技術がモノになるまでには、長い年月の積み重ねが必要です。人材を育成しながら、トライアンドエラーを重ねていく先に、少しずつノウハウが蓄積されていくのです。この過程こそが製造業の根本であり、モノづくりの尊さに他なりません。

しかし、昨今はそのように考える経営者が少なくなりました。ノウハウ、技術は買えばいい、必要であればM&Aもいとわない。そういった世界的風潮の中で、当社もまた新しい存在価値を模索していかねばなりません。このままではこの国が培ってきた技術が失われてしまう。私はそのことに強い危機感を抱いています。 かつては私も現場に立ち、モノづくりに熱中した時を過ごしてきました。社員とともに深夜に至るまで議論を重ね、試行錯誤を繰り返し、失敗の連続の上にやっと製品が完成したときの喜び。工場の片隅で冷や酒を酌み交わしながら、若い工員たちと語り合った日々の充実感は、今も私の脳裏に焼き付いています。

そうやって一つひとつ積み重ねてきた技術の上に、今の当社があります。このことは、日本のすべての製造業に言えることなのではないでしょうか。
「この国の金型づくりを守りたい」
今の私を突き動かすのは、この思いです。
そして、私たちの世代が培ってきた技術を確実に次の世代に受け渡すこと。これが私の最後の使命だと思い、後継者の育成に取り組んでいく所存です。

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